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モデルガーデンのあちこちにひょっこり
生えてきているヤツデ。
このヤツデは、日陰に強く葉の形もおもしろく
花の少ない冬に、貴重な花を咲かせてくれますね。
花は丸く見えますが、実は小さな花が集まって
咲きます。
これから、しかも真冬に咲くヤツデの花。
その花に来るのは、ハエやアブの仲間。
花の少ないこの時期、ヤツデは優先的に花粉を運んで
もらえるんです。
またヤツデは昆虫の少ない冬に花を咲かせるので、受粉に
必要な虫たちを集めるために、特に甘い蜜を用意しています。
ブドウや柿などの果実の糖度は甘くても15~20なんですが
花を咲かせたばかりのヤツデの花は、クリーム色の花床に
糖度50以上の甘い蜜を分泌させます。
しかも花は両性花。ひとつの花が
咲き始めは雄花、次に雌花に変身。ヤツデのように
雄、雌の順で花が変化する種類は、ツリフネソウや
ワレモコウなどがあります。
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ヤツデは同じ花の受粉を避けるために、特別な仕組みを
持っている植物として有名。
花は両性化(1つの花に雄しべと雌しべがある)なんですが
普通の両性化(雄しべと雌しべが同時に熟し受粉)とは
違います。ヤツデの花は開いたとき、花弁と雄しべが成熟して
花粉が出ますが、このとき雌しべは未熟で昆虫がきて花粉を
集めても受粉しません。花弁と雄しべが落ちたあとに雌しべが
成熟して、他の花の花粉をつけた昆虫から花粉を受け取り
受粉します。実にうまく雄しべと雌しべの成熟時期をずらして
近親結婚を避けているんです。一見すると雄花と雌花が別々に
ついているように見えますが、実はヤツデは両性花です。(^-^)
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ヤツデの花が咲いていたら、ぜひよく見てくださいね。
こんな咲き方する植物は珍しいですよ。
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